
「座頭市」を観てみたいけど、作品が多すぎてどれから観ればいいのかわからない。そんな方は多いのではないでしょうか。
勝新太郎が主演した映画だけでも26作あり、北野武版や女性が主人公の『ICHI』などのリメイク作品もあります。
結論から言うと、第1作『座頭市物語』から観はじめ、名勝負と呼ばれる作品を経てリメイク版へ進むのが、いちばん楽しめる見る順番です。
この記事では、座頭市シリーズのおすすめの見る順番をランキング形式でベスト10として紹介します。各作品の見どころや、2026年最新の視聴方法もまとめたので、ぜひ参考にしてください。
座頭市シリーズとは?まず押さえたい基本情報
座頭市はどんな作品?
「座頭市」は、目の見えない按摩でありながら居合斬りの達人でもある渡世人・市の旅を描いた時代劇です。
原作は子母沢寛の随筆集『ふところ手帖』に収められた短い一篇「座頭市物語」です。映画化にあたって、市の人物像や物語は大きく膨らまされました。
勝新太郎の当たり役として26作を製作
1962年に大映で第1作が公開されると、勝新太郎の当たり役として人気シリーズになりました。1989年の『座頭市』まで、勝新太郎主演の映画は全26作が作られています。
仕込み杖から一瞬で刀を抜く逆手斬りの殺陣は、日本映画を代表するアクションとして今も高く評価されています。
テレビシリーズとリメイク版
1974年からは勝新太郎主演のテレビシリーズも放送されました。さらに2000年代以降は、北野武、綾瀬はるか、香取慎吾が新たに「市」を演じ、シリーズの世界を広げています。
座頭市シリーズの見る順番を選ぶ3つのポイント

ポイント① 最初は第1作で市の人物像をつかむ
大映のシリーズは基本的に1話完結です。どこから観ても楽しめますが、市の生き方や人柄が最もていねいに描かれているのは第1作です。まずはここから観るのがおすすめです。
ポイント② 初期3作はつながりを意識して観る
第2作と第3作には、第1作の出来事や人物を受けた場面があります。この3作は公開順に続けて観ると、物語をより深く味わえます。
ポイント③ 「好敵手」との対決で作品を選ぶ
座頭市シリーズの醍醐味は、作品ごとに登場する強敵との対決です。名優が演じるライバルとの一騎打ちに注目して選ぶと、シリーズの魅力がよくわかります。
座頭市シリーズ 見る順番ランキングベスト10
第1位:『座頭市物語』(1962年)
- 公開日:1962年4月18日
- 監督:三隅研次
- 脚本:犬塚稔
- 音楽:伊福部昭
- 主なキャスト:勝新太郎、天知茂(平手造酒)、万里昌代(おたね)
利根川沿いの宿場町で、市はやくざの一家に身を寄せます。対立する一家の用心棒で、病を抱えた浪人・平手造酒と、市は釣りを通じて友情を育みます。しかし二人は、やがて敵同士として向き合うことになります。
白黒の映像が生む静けさと哀しみは、シリーズの原点にふさわしい味わいです。必ず最初に観てほしい1本です。
第2位:『続・座頭市物語』(1962年)
- 公開日:1962年10月12日
- 監督:森一生
- 主なキャスト:勝新太郎、若山富三郎(渚の与四郎)、水谷八重子、万里昌代
市の前に、実の兄・与四郎が現れます。かつて一人の女性をめぐって深い因縁を抱えた兄弟の対立が、物語の軸になります。
兄を演じる若山富三郎は、勝新太郎の実兄です。この作品には、大映へ移ったときの芸名「城健三朗」で出演しました。現実の兄弟が演じる対決という点でも見逃せない作品です。
第3位:『新・座頭市物語』(1963年)
- 公開日:1963年3月15日
- 監督:田中徳三
- 主なキャスト:勝新太郎、坪内ミキ子(弥生)、河津清三郎(伴野弥十郎)
故郷の笠間に戻った市は、剣の師匠・伴野弥十郎と再会し、その妹の弥生から思いを打ち明けられます。市は堅気として生きる道を考えますが、師匠との間に決定的な亀裂が生まれます。
市が「普通の幸せ」に手を伸ばす姿が切なく描かれる、初期3作の締めくくりです。
第4位:『座頭市血煙り街道』(1967年)
- 公開日:1967年12月30日
- 監督:三隅研次
- 主なキャスト:勝新太郎、近衛十四郎(赤塚多十郎)、高田美和、朝丘雪路
市は、旅先で亡くなった母親から幼い男の子を託され、父親のもとへ届ける旅に出ます。途中で道連れになった浪人・赤塚は、ある密命を帯びた凄腕の剣客でした。
時代劇スターの近衛十四郎と勝新太郎による雪の中の一騎打ちは、シリーズ屈指の名勝負として知られています。
【挿入画像②:04_rivals.png/alt:座頭市シリーズの好敵手 天知茂・若山富三郎・近衛十四郎・三船敏郎・王羽】
第5位:『座頭市と用心棒』(1970年)
- 公開日:1970年1月15日
- 監督:岡本喜八
- 脚本:岡本喜八、吉田哲郎
- 主なキャスト:勝新太郎、三船敏郎(用心棒・佐々大作)、若尾文子(梅乃)、岸田森、米倉斉加年
3年ぶりに訪れた村は、やくざに支配されていました。そこで市は、腕の立つ用心棒と出会います。
座頭市と三船敏郎演じる用心棒という、日本映画の二大スターの夢の共演が実現した話題作です。二人が互いに罵り合いながら腹を探り合う、ユーモラスな掛け合いが楽しめます。
第6位:『新座頭市・破れ!唐人剣』(1971年)
- 公開日:1971年1月13日
- 監督:安田公義
- 主なキャスト:勝新太郎、王羽(ジミー・ウォング)、浜木綿子
勝新太郎の勝プロダクションと、香港のゴールデン・ハーベストによる合作です。言葉の通じない片腕の剣士と市が、誤解とすれ違いの末に刃を交えます。
日本版と香港版で結末の描き方が異なることでも知られる、異色の対決作です。
第7位:『座頭市』(1989年)
- 公開日:1989年2月4日(松竹配給)
- 監督・脚本・主演:勝新太郎
- 主なキャスト:勝新太郎、樋口可南子(おはん)、緒形拳(浪人)、陣内孝則、内田裕也
勝新太郎が自ら監督を務めた、勝新太郎版座頭市の最終作です。円熟した市の姿と、大人の色気がただよう映像が見どころです。長年市を演じた勝新太郎の集大成として、シリーズを観てきた人ほど胸に迫る1本です。
第8位:『座頭市』(2003年・北野武監督)
- 公開:2003年
- 監督・脚本・主演:北野武
- 主なキャスト:ビートたけし(市)、浅野忠信(服部源之助)、夏川結衣、大楠道代、岸部一徳
金髪の市という大胆な設定で、北野武が初めて手がけた時代劇です。農作業の音がリズムになる演出や、祭りの場面のタップダンスなど、斬新な試みが詰まっています。
第60回ヴェネツィア国際映画祭で監督賞(銀獅子賞)と観客賞を受賞し、北野映画で最大のヒット作となりました。
第9位:『ICHI』(2008年)
- 公開日:2008年10月25日
- 監督:曽利文彦
- 脚本:浅野妙子
- 主なキャスト:綾瀬はるか(市)、大沢たかお(藤平十馬)、中村獅童(万鬼)、窪塚洋介
主人公を盲目の女性・市に置き換えた、新しい解釈の座頭市です。刀を抜けなくなった侍・十馬との出会いを通じて、孤独な市が人とのつながりを取り戻していきます。スピード感のある殺陣も見どころです。
第10位:『座頭市 THE LAST』(2010年)
- 公開日:2010年5月29日
- 監督:阪本順治
- 主演:香取慎吾
妻との約束を守るため、仕込み杖を捨てて故郷で静かに暮らそうとする市が描かれます。しかし村は非道な一家に支配されており、市は再び刀を手にすることになります。
「最後の座頭市」を掲げ、市の人生の終着点を描いた作品です。シリーズの締めくくりとして観るのがおすすめです。
座頭市シリーズ 見る順番早見表
| 順番 | 作品名 | 公開年 | 監督 | 主演 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 座頭市物語 | 1962 | 三隅研次 | 勝新太郎 |
| 2 | 続・座頭市物語 | 1962 | 森一生 | 勝新太郎 |
| 3 | 新・座頭市物語 | 1963 | 田中徳三 | 勝新太郎 |
| 4 | 座頭市血煙り街道 | 1967 | 三隅研次 | 勝新太郎 |
| 5 | 座頭市と用心棒 | 1970 | 岡本喜八 | 勝新太郎 |
| 6 | 新座頭市・破れ!唐人剣 | 1971 | 安田公義 | 勝新太郎 |
| 7 | 座頭市 | 1989 | 勝新太郎 | 勝新太郎 |
| 8 | 座頭市 | 2003 | 北野武 | ビートたけし |
| 9 | ICHI | 2008 | 曽利文彦 | 綾瀬はるか |
| 10 | 座頭市 THE LAST | 2010 | 阪本順治 | 香取慎吾 |
座頭市シリーズを観る方法【2026年最新】

動画配信サービスでのレンタル
2026年8月時点では、第1作『座頭市物語』がPrime Video、DMM TV、music.jpなどでレンタル配信されています。見放題の配信は確認できませんでした。
宅配レンタル
2003年の北野武版は、TSUTAYA DISCASの宅配レンタルで観ることができます。
テレビ放送・Blu-ray/DVD
BS・CSの時代劇専門チャンネルなどで、シリーズ作品が放送されることもあります。手元にそろえたい方は、Blu-rayやDVDもおすすめです。
※配信・放送の状況は作品ごと・時期ごとに変わります。観る前に各サービスで最新情報を確認してください。
座頭市シリーズのよくある質問
Q. 勝新太郎版は全部順番に観る必要がある?
A. その必要はありません。大映のシリーズは基本的に1話完結なので、この記事の作品から観はじめて、気に入ったら他の作品に広げていけば十分楽しめます。
Q. 北野武版やICHIは旧シリーズを観ていなくても楽しめる?
A. 楽しめます。どちらも独立した作品なので、単体で観ても問題ありません。ただし勝新太郎版を先に観ておくと、それぞれの新しい解釈の面白さがより際立ちます。
Q. シリーズでいちばん有名な対決は?
A. 『座頭市と用心棒』の三船敏郎との共演や、『座頭市血煙り街道』の近衛十四郎との一騎打ちが、特によく名前の挙がる名場面です。
まとめ:座頭市は第1作から観はじめよう
座頭市シリーズの見る順番は、次の流れがおすすめです。
- 第1作『座頭市物語』で市の人物像をつかむ
- 初期3作を公開順に続けて観る
- 名勝負・異色作で好敵手との対決を味わう
- 勝新太郎版の最終作と、リメイク版で新しい解釈を楽しむ
公開から60年以上たった今も色あせない、市の哀愁と鮮やかな居合斬りを、ぜひこの順番で体感してみてください。