
高倉健の代表作であり、東映の任侠映画を代表する名作シリーズ「昭和残侠伝」。
「名前は聞いたことがあるけれど、どれから観ればいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、シリーズ全9作を公開順に観るのが、いちばん楽しめる見る順番です。高倉健と池部良の名コンビが生まれ、深まっていく流れを、そのまま味わえるからです。
この記事では、昭和残侠伝のおすすめの見る順番を、ランキング形式でベスト10として紹介します。各作品のあらすじや監督、舞台、2026年最新の視聴方法もまとめました。
昭和残侠伝とは?まず押さえたい基本情報
1965年から1972年まで作られた全9作のシリーズ
「昭和残侠伝」は、1965年から1972年にかけて東映が製作した任侠映画のシリーズで、全9作が作られました。
主演は高倉健で、ほぼ全作に池部良が共演しています。監督は佐伯清、マキノ雅弘、山下耕作の3人が務めました。
毎回が独立した物語
シリーズといっても、各作品は基本的に独立した物語です。昭和の初めごろを中心に、浅草や宇都宮、金沢など日本各地を舞台にしています。
古いしきたりを守るやくざが、卑劣な手を使う新興勢力に耐えに耐える。そして最後に、怒りを爆発させて殴り込みへ向かう。この流れがシリーズのお約束です。
秀次郎と重吉の名コンビ
高倉健が演じる「花田秀次郎」と、池部良が演じる「風間重吉」。この二人が肩を並べて殴り込みに向かう姿は、日本映画史に残る名場面として知られています。
主題歌「唐獅子牡丹」は高倉健自身が歌い、シリーズを象徴する名曲となりました。
昭和残侠伝の見る順番を選ぶ3つのポイント

ポイント① 公開順に観るのがおすすめ
各作品は独立した物語なので、どこから観ても楽しめます。それでも公開順に観ると、役名や作風が固まっていく過程や、名コンビが定着していく流れを自然に味わえます。
ポイント② 役名が作品ごとに違うことを知っておく
初期の作品では、高倉健と池部良の役名が作品ごとに異なります。「花田秀次郎」と「風間重吉」の組み合わせは、第4作『血染の唐獅子』から定着しました。同じ名前でも作品ごとに別の人物として描かれている点を覚えておくと、混乱せずに楽しめます。
ポイント③ 監督ごとの味わいの違いを楽しむ
監督ごとに作風が異なります。
- 佐伯清:骨太な任侠ドラマ
- マキノ雅弘:情感豊かな人情劇
- 山下耕作:様式美
監督に注目して観比べるのもおすすめです。
昭和残侠伝 見る順番ランキングベスト10
第1位:『昭和残侠伝』(1965年)
- 公開日:1965年10月1日
- 監督:佐伯清
- 脚本:村尾昭、山本英明、松本功
- 主なキャスト:高倉健(寺島清次)、池部良(風間重吉)、三田佳子
- 舞台:終戦直後の東京・浅草
戦後の混乱が続く浅草の闇市で、昔ながらの一家と、暴力で勢力を広げる新興勢力が対立します。親分を殺されたあと、戦地から戻った清次が一家を継ぎます。度重なる嫌がらせにも耐え続けますが、ついに決着をつける時が訪れます。
「耐えて耐えて、最後に立ち上がる」というシリーズの原型が詰まった第1作です。
第2位:『昭和残侠伝 唐獅子牡丹』(1966年)
- 公開日:1966年1月13日
- 監督:佐伯清
- 脚本:山本英明、松本功
- 主なキャスト:高倉健(花田秀次郎)、三田佳子(秋山八重)、池部良(畑中圭吾)、津川雅彦
- 舞台:宇都宮の大谷石の採掘場
出所した秀次郎が、石切場の縄張りを狙う新興の組と、追い詰められていく古い一家との争いに巻き込まれます。秀次郎が「花田秀次郎」と名乗る最初の作品で、主題歌「唐獅子牡丹」の印象も強く残る人気作です。
第3位:『昭和残侠伝 一匹狼』(1966年)
- 公開日:1966年7月9日
- 監督:佐伯清
- 主なキャスト:高倉健(武井繁次郎)、池部良(桂木竜三)、藤純子(桂木美枝)、島田正吾
- 舞台:銚子に近い漁港の町
昭和の初め、マグロ漁を独占しようとする網元一家の横暴に、漁師たちが苦しんでいます。親分を殺した刺客を探す繁次郎は、復讐と人情の間で揺れながら、悪に立ち向かっていきます。港町を舞台にした異色作です。
第4位:『昭和残侠伝 血染の唐獅子』(1967年)
- 公開日:1967年7月8日
- 監督:マキノ雅弘
- 脚本:鈴木則文、鳥居元宏
- 主なキャスト:高倉健(花田秀次郎)、池部良(風間重吉)、藤純子(風間文代)、河津清三郎
- 舞台:昭和初期の浅草・上野
上野の博覧会場の建設工事をめぐって、鳶職の組と博徒の一家が対立します。
マキノ雅弘が初めてシリーズを手がけた作品です。ここから「花田秀次郎と風間重吉」の組み合わせが定着しました。名コンビの原点として必ず観ておきたい1本です。
第5位:『昭和残侠伝 唐獅子仁義』(1969年)
- 公開日:1969年3月6日
- 監督:マキノ雅弘
- 脚本:山本英明、松本功
- 主なキャスト:高倉健(花田秀次郎)、池部良(風間重吉)、藤純子(おるい)、志村喬
- 舞台:浅草、名古屋、木曽路など
ある一家の親分を斬って服役した秀次郎は、出所後もその一家に命を狙われます。窮地を救ってくれた芸者・おるいは、実は秀次郎と因縁のある男の妻でした。
義理と恋のしがらみが胸を打つ、人情味あふれる作品です。

第6位:『昭和残侠伝 人斬り唐獅子』(1969年)
- 公開日:1969年11月28日
- 監督:山下耕作
- 主なキャスト:高倉健(花田秀次郎)、池部良(風間重吉)、片岡千恵蔵、小山明子、大木実
- 舞台:浅草
出所した秀次郎は、浅草で二つの組の争いに巻き込まれます。片方には義兄弟の重吉が、もう片方にはかつて愛した女性の夫がいました。
義理と人情の板挟みに苦しむ秀次郎の姿が描かれます。山下耕作監督が手がけた唯一のシリーズ作で、時代劇の大スター・片岡千恵蔵の出演も見どころです。
第7位:『昭和残侠伝 死んで貰います』(1970年)
- 公開日:1970年9月22日
- 監督:マキノ雅弘
- 脚本:大和久守正
- 主なキャスト:高倉健(花田秀次郎)、藤純子(幾江)、池部良(風間重吉)、中村竹弥
- 舞台:関東大震災の前後の東京の下町
料亭の跡取りとして生まれながら、家を出て渡世人となった秀次郎の半生を描く物語です。料亭の人々や芸者・幾江との絆、そして恩人を奪われた怒りが重なっていきます。
シリーズ最高傑作に挙げるファンも多い、情感豊かな名作です。
第8位:『昭和残侠伝 吼えろ唐獅子』(1971年)
- 公開日:1971年10月27日
- 監督:佐伯清
- 主なキャスト:高倉健、池部良、鶴田浩二、松方弘樹、松原智恵子
- 舞台:前橋、小諸、金沢
出所した秀次郎が、ある男の行方を追って長野、金沢へと旅をします。行く先々で、工事の入札をめぐる一家同士の争いに巻き込まれていきます。
任侠映画のもう一人のスター・鶴田浩二が加わり、豪華な顔ぶれがそろった作品です。
第9位:『昭和残侠伝 破れ傘』(1972年)
- 公開日:1972年12月30日
- 監督:佐伯清
- 主なキャスト:高倉健(花田秀次郎)、池部良(風間重吉)、鶴田浩二、安藤昇、北島三郎、星由里子
- 舞台:郡山、新潟など
出所した秀次郎が、兄貴分のもとを訪ねたことから争いに巻き込まれます。初恋の女性との再会も重なり、義理と情の板挟みに苦しむ姿が描かれます。
雪の中の壮絶な決闘が印象に残る、シリーズ最終作です。
第10位(番外):『日本侠客伝』(1964年)
- 公開日:1964年8月13日
- 監督:マキノ雅弘
- 主なキャスト:高倉健(辰巳の長吉)、中村錦之助、藤純子、南田洋子
- 舞台:東京・深川木場
昭和残侠伝と並ぶ、高倉健主演の東映任侠映画「日本侠客伝」シリーズの第1作です。深川の木場を舞台に、運送の仕事をめぐる争いの中で、男たちの義理と人情が描かれます。
昭和残侠伝を観終えたら、次に観たい兄弟シリーズの入り口です。
昭和残侠伝 見る順番早見表
| 順番 | 作品名 | 公開年 | 監督 | 主な舞台 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 昭和残侠伝 | 1965 | 佐伯清 | 浅草 |
| 2 | 昭和残侠伝 唐獅子牡丹 | 1966 | 佐伯清 | 宇都宮 |
| 3 | 昭和残侠伝 一匹狼 | 1966 | 佐伯清 | 銚子近くの漁港 |
| 4 | 昭和残侠伝 血染の唐獅子 | 1967 | マキノ雅弘 | 浅草・上野 |
| 5 | 昭和残侠伝 唐獅子仁義 | 1969 | マキノ雅弘 | 浅草〜木曽路 |
| 6 | 昭和残侠伝 人斬り唐獅子 | 1969 | 山下耕作 | 浅草 |
| 7 | 昭和残侠伝 死んで貰います | 1970 | マキノ雅弘 | 東京の下町 |
| 8 | 昭和残侠伝 吼えろ唐獅子 | 1971 | 佐伯清 | 前橋・小諸・金沢 |
| 9 | 昭和残侠伝 破れ傘 | 1972 | 佐伯清 | 郡山・新潟 |
| 10 | 日本侠客伝(番外) | 1964 | マキノ雅弘 | 深川木場 |
昭和残侠伝を観る方法【2026年最新】

見放題配信
2026年9月時点では、第1作『昭和残侠伝』がU-NEXTで見放題配信されています。
レンタル配信・宅配レンタル
Prime Video、TELASA、Lemino、J:COM STREAM、music.jpなどで、作品ごとのレンタル配信があります。TSUTAYA DISCASでは、DVDの宅配レンタルも利用できます。
※配信状況は作品ごと・時期ごとに変わります。観る前に各サービスで最新情報を確認してください。
昭和残侠伝のよくある質問
Q. どの作品から観ても大丈夫?
A. 大丈夫です。各作品は独立した物語なので、どこから観ても楽しめます。迷ったら第1作か、人気の高い『唐獅子牡丹』『死んで貰います』から観るのがおすすめです。
Q. 花田秀次郎は全作品で同じ人物?
A. 同じ役名でも、作品ごとに別の人物として描かれています。生い立ちや人間関係はそれぞれの作品で異なります。
Q. 「日本侠客伝」との違いは?
A. どちらも高倉健主演の東映任侠映画ですが、別のシリーズです。昭和残侠伝は池部良との共演が大きな特徴です。
まとめ:昭和残侠伝は全9作を公開順に観よう
昭和残侠伝の見る順番は、次の流れがおすすめです。
- 第1作から佐伯清監督の初期3作で、シリーズの原型をつかむ
- 『血染の唐獅子』から、秀次郎と重吉の名コンビを味わう
- 名作『死んで貰います』を経て、最終作『破れ傘』まで見届ける
- 兄弟シリーズ『日本侠客伝』へと世界を広げる
耐え忍んだ末に、肩を並べて死地へ向かう男たち。その美学が詰まった昭和残侠伝の世界を、ぜひこの順番で味わってみてください。