
「男はつらいよ」は渥美清が主演し、山田洋次が原作・監督を務めた国民的喜劇シリーズです(第3作は森崎東、第4作は小林俊一が監督)。
- 第1作:1969年8月27日公開
- 第48作:1995年公開(渥美清の最後の主演作)
- 第49作:1997年公開の『寅次郎ハイビスカスの花 特別篇』
- 第50作:2019年公開の『お帰り 寅さん』
テキ屋稼業の「フーテンの寅」こと車寅次郎が、故郷の葛飾柴又に帰ってきては騒動を起こします。旅先でマドンナに恋をしては、失恋するか身を引いて、また旅に出ていく。これがお決まりのパターンです。シリーズが30作を超えた時点で、世界最長の映画シリーズとしてギネスに認定されました。
男はつらいよの見る順番を選ぶ3つのポイント

① 最初は第1作で人物関係をつかむ
寅さんとさくらの兄妹関係、柴又の「とらや(くるまや)」の家族、博とさくらの結婚。こうした基本設定はすべて第1作で描かれます。ここを押さえると、2作目以降が何倍も楽しくなります。
② リリーの登場作は必ず公開順に観る
リリーは寅さんと最も心が通い合ったマドンナと言われます。登場作は物語がつながっているので、順番を飛ばさずに観るのが鉄則です。
③ 後期は満男と泉の恋にも注目
第42作以降は、吉岡秀隆演じる満男と、後藤久美子演じる泉の恋がもうひとつの軸になります。第50作までつながる大切な流れです。
男はつらいよ 見る順番ランキングベスト10
第1位:第1作『男はつらいよ』(1969年)
- マドンナ:光本幸子(御前様の娘・坪内冬子)
- 主な舞台:柴又、奈良
20年ぶりに柴又へ帰ってきた寅さんが、妹さくらのお見合いをぶち壊すところから物語が始まります。見どころは、さくらと博の結婚式で博の父(志村喬)が述べる謝辞です。笑いと涙が詰まった、全シリーズの原点と言える1本です。
第2位:第8作『寅次郎恋歌』(1971年)
- マドンナ:池内淳子(喫茶店を営む六波羅貴子)
- 主な舞台:岡山・備中高梁ほか
女手ひとつで息子を育てる貴子に、寅さんが心を寄せます。旅先の備中高梁で、博の父が寅さんに語りかける場面はシリーズ屈指の名シーンです。寅さんの孤独と優しさがよくわかる作品です。
第3位:第9作『柴又慕情』(1972年)
- マドンナ:吉永小百合(OLの高見歌子)
- 主な舞台:福井(東尋坊・永平寺)、金沢
小説家の父との関係や結婚に悩む歌子を、寅さんがさりげなく支えます。吉永小百合は第13作『寅次郎恋やつれ』でも同じ役で再登場するので、気に入ったら続けて観るのがおすすめです。
第4位:第11作『寅次郎忘れな草』(1973年)
- マドンナ:浅丘ルリ子(旅回りの歌手・リリー)
- 主な舞台:北海道・網走
夜行列車で涙を流していたリリーと、寅さんが網走で出会います。同じ根無し草の者同士で意気投合する二人の関係は、ここから長い物語になっていきます。シリーズを語るうえで外せない作品です。

第5位:第15作『寅次郎相合い傘』(1975年)
- マドンナ:浅丘ルリ子(リリー)
- 主な舞台:函館、小樽
函館で再会した寅さんとリリーが、船越英二演じる会社員・兵頭と一緒に北海道を旅します。とらやでの「メロン騒動」は笑いが止まらない名場面です。シリーズ最高傑作に挙げるファンも多い1本です。
第6位:第17作『寅次郎夕焼け小焼け』(1976年)
- マドンナ:太地喜和子(龍野芸者のぼたん)
- 主な舞台:兵庫県・龍野(現たつの市)
上野の焼き鳥屋で知り合った老人が、実は高名な日本画家・池ノ内青観(宇野重吉)でした。人情味あふれるぼたんと寅さんの掛け合いが痛快で、終盤の展開には胸が熱くなります。
第7位:第25作『寅次郎ハイビスカスの花』(1980年)
- マドンナ:浅丘ルリ子(リリー)
- 主な舞台:沖縄
沖縄のキャバレーで歌っていたリリーが倒れて入院します。手紙を受け取った寅さんは、飛行機嫌いを押して沖縄へ向かいます。二人の関係が最も「夫婦」に近づく作品です。1997年には特別篇(第49作)も作られました。
第8位:第32作『口笛を吹く寅次郎』(1983年)
- マドンナ:竹下景子(寺の住職の娘・石橋朋子)
- 主な舞台:岡山・備中高梁
第8作と同じ高梁が舞台です。お寺の跡継ぎ候補に、なんと寅さんが浮上するという異色の展開が見どころです。中井貴一と杉田かおるの若々しい共演も楽しめます。
第9位:第42作『ぼくの伯父さん』(1989年)
- マドンナ:後藤久美子(及川泉)、檀ふみ
- 主な舞台:佐賀
浪人生の満男が、高校の後輩・泉を追って佐賀へ向かいます。寅さんが「恋の指南役」として甥を見守る、世代交代を感じさせる作品です。ここから第45作まで「満男と泉」の物語が続きます。
第10位:第48作『寅次郎紅の花』(1995年)
- マドンナ:浅丘ルリ子(リリー)、後藤久美子(泉)
- 主な舞台:奄美大島、岡山・津山
泉の結婚式に乗り込む満男と、奄美大島でリリーと暮らす寅さん。二つの恋が交差する、渥美清の最後の主演作です。渥美清は翌1996年に亡くなりました。長年のファンにとって特別な1本です。
番外:第50作『お帰り 寅さん』(2019年)
小説家になった満男が泉と再会し、伯父・寅さんとの日々を思い返す作品です。ベスト10を観終えてから観ると、感動がいっそう深まります。
男はつらいよ 見る順番早見表
| 順番 | 作品 | 公開年 | マドンナ |
|---|---|---|---|
| 1 | 第1作 男はつらいよ | 1969 | 光本幸子 |
| 2 | 第8作 寅次郎恋歌 | 1971 | 池内淳子 |
| 3 | 第9作 柴又慕情 | 1972 | 吉永小百合 |
| 4 | 第11作 寅次郎忘れな草 | 1973 | 浅丘ルリ子 |
| 5 | 第15作 寅次郎相合い傘 | 1975 | 浅丘ルリ子 |
| 6 | 第17作 寅次郎夕焼け小焼け | 1976 | 太地喜和子 |
| 7 | 第25作 寅次郎ハイビスカスの花 | 1980 | 浅丘ルリ子 |
| 8 | 第32作 口笛を吹く寅次郎 | 1983 | 竹下景子 |
| 9 | 第42作 ぼくの伯父さん | 1989 | 後藤久美子 |
| 10 | 第48作 寅次郎紅の花 | 1995 | 浅丘ルリ子・後藤久美子 |
男はつらいよを観る方法【2026年最新】

2026年8月時点では、U-NEXTで「男はつらいよ」シリーズが見放題で配信されています。ほかの動画配信サービスでも、作品ごとのレンタルや購入ができる場合があります。BS放送では4Kデジタル修復版が放送されることもあり、美しい映像で昭和の風景を楽しめます。
2026年6月には『お帰り 寅さん』のシネマ・コンサートが名古屋で開かれるなど、公開から半世紀以上たった今も寅さん人気は健在です。配信状況は変わることがあるので、観る前に各サービスで最新情報を確認してください。
よくある質問
Q. 1作目から全部順番に観ないとダメ?
A. その必要はありません。基本は1話完結なので、この記事の10作から観始めて、気に入ったマドンナやロケ地の作品に広げていけば十分楽しめます。
Q. リリーが出てくる作品は?
A. 本編では第11作、第15作、第25作、第48作の4作です。このほかに、第25作の特別篇(第49作)があります。
まとめ
「男はつらいよ」の見る順番は、第1作で基本をつかみ、リリー登場作と満男の物語を公開順に追うのが正解です。今回紹介した10作を観れば、寅さんが半世紀以上愛され続ける理由がきっとわかるはずです。まずは第1作から、柴又への旅を始めてみてください。